ドラゴン
本日の問いかけ
こんにちは!科学者のコボです。
本日の問いかけは『玉が7つ揃うとドラゴンが現れた!一体どうなってるの?』です。どこかで聞いたことのある設定ですが「設定」には著作権がないはずなのであまり気にせず今日も問いかけに対する意見を考えていきましょう。今日の問いかけは『現象』を引き起こす『仕組み』を想像する問いかけです。「つくりものの世界なんだから考えてもしょうがないでしょ?」と斜に構えていると、実際に『わけのわからない現象』に出会った時に、チカラを発揮できないかもしれませんよ?暮らしの中で出会うつくりものの世界は想像力の宝庫です。さぁ、自分なりの意見を考えてみましょう!
意見を作ろう!
さて、意見を考える前に今日の問いかけを分解してみましょう。『玉』『7つ揃う』『ドラゴン』『現れた』こんなところでしょうか。これらを手がかりに、科学の思考で意見を作っていきます。
意見の例 ①
最初は『玉』に注目してみましょう。そもそもこの『玉』はどんなものでしょうか?問いかけの中には、玉の定義がないので、ここでは仮に『一個の玉は一般人が手でつかめるくらいの大きさ・重さを有している』と定義しておきます。玉の辺りからドラゴンが現れたことを考えると、もしかするとドラゴンはこの小さな玉の中に入っていたのかもしれません。
意見の例 ②
今度は『玉が7つ揃う』という条件に注目してみましょう。そもそも『玉が7つ揃う』とはどういうことでしょうか?もう少し具体的に記述してみましょう。『玉が7つ視認できる程度の範囲内に存在する』といったところでしょうか。それならその範囲内になければならない理由があるはずです。仮にそうだとすれば、もしかすると玉がその範囲内にある時にだけドラゴンに通知が届き、地中から這い出てくるのかもしれません。
意見の例 ③
最後に『ドラゴン』に注目してみましょう。そもそも『ドラゴン』は地球上に住む動物とは根本的に異なるのかもしれません。仮にそうだとすれば、もしかすると『7つの玉が揃うまで姿を隠しておこう』なんてのも簡単なことなのかもしれません。
実験を考えよう!
今日は『玉』や『ドラゴン』といったモノや『玉が7つ揃う』といった条件に注目して『意見』を作成してみました。次は『意見』を調べる『実験』を考えてみましょう。
実験の例 ①
意見(こども):
「玉から出てきたのかな・・・」
実験(おとな):
「やっちゃまずいけど、割ったらでてくるのかな」
「この玉には生き物を小さくする機能がついているはず。どこかにボタンがあったりするのかな」
仮に、手で掴めるくらいの大きさの玉に巨大なドラゴンが入っているとするならば、この玉には動物を小さくする機能があるはずです。しかし、どうやって動物を小さくするのでしょうか?「そんなの無理だ!」と言わずに少しだけ考えてみましょう。
そもそも動物とはなにでできているのでしょうか?動物は極めて小さな『細胞』が集まりあって構成されていると言われています。それなら『動物』を小さくする代わりに『細胞』を小さくする方法を考えれば良いのではないでしょうか?では、そもそも『細胞』が小さくなるという報告はこれまでにあるのでしょうか・・・調べてみると面白いかもしれません。
こんなふうに科学の思考で考えてみると、漠然と『動物』を小さくする方法を考えるよりも、ほんの少し希望が見えてきませんか?
実験の例 ②
意見(こども):
「7つ揃うと呼び出しがかかるのかな・・・」
実験(おとな):
「呼び出し音がなったりするのかな」
「この玉にはBluetoothが使われているのかも」
仮に、7つの玉全てが決まった範囲内に存在することがドラゴン登場の合図になるとするならば、この玉はセンサーもしくは通信機能を有している可能性があります。これは現代の技術なら容易に実装できそうです。身近なところだと、例えばBluetooth等をイメージすれば良いかと思います。仮にそうだとすると、7つの玉全てが決まった範囲内に存在することをドラゴンが確認し次第、ドラゴンが地中から這い出てくるという仕組みが想定されます。
実験の例 ③
意見(こども):
「姿を隠していたのかな・・・」
実験(おとな):
「人間にはできなさそうなことだから、ドラゴンは身体のつくりが違うのかも。身体のつくりを調べる必要がありそうだね。」
仮にドラゴンが『玉が7つ揃うまで姿を隠して』いたとするならば、もはやドラゴンは『細胞』を基本単位とする動物とは全く異なるシステムで生きている可能性があります。少し考えてみましょう。
そもそも「地球上の生命は本当に全て『細胞』という生命の基本単位で構成されて生きている」のでしょうか?異なる生命の基本単位があっても良いのではないでしょうか?この考えが正しいと仮定して、一度『細胞』以外の基本単位で構成される生命について想像してみましょう(それを生命とは定義するのかはわかりませんが)。
そもそも『生命』とはなんでしょうか?1. 自己複製をすること(細胞が増えること)、2. エネルギー代謝をすること(ごはんを食べてエネルギーに変えること)、3. 外界と膜で隔てられてること(細胞は口の閉じた袋のような構造をしています。外界とは袋の外のことです。そして、その袋がたくさん集まってできているのが私たちなので、私たちもやはり外界と隔てられた袋のような存在なわけです)。これらが一般的な生命の定義だとされています。つまり「袋みたいで、ごはんを食べ、ふえていく存在」が生命ということです。確かに人間も当てはまりそうです。ここで本題に戻ってみましょう。『生命の定義にあてはまり、かつ姿を隠すことができる動物』には、現存する生命にはないどんな要素が必要でしょうか?
そもそも『姿を隠している』とはどういう状態でしょうか?単純なことで『見えない』という状態です。このとき『見えない』ことが重要であり、元の形を維持している必要はありません。仮に元の形を維持していないとすると、身体を構成する生命の基本単位が、瞬時に大気中に拡散して見えなくなるというシステムを構築すれば、姿を隠すことができるのではないでしょうか?さらに、仮にいつでも再構成(元の身体の座標に戻ってくること)が可能な機能を備えていれば、姿を隠し、また現れるということも実現するかもしれません。以上より『生命の定義にあてはまり、かつ姿を隠すことができる動物』は、上記の性質を有した細胞以外の生命の基本単位を有しているのではないかと想像できます。仮にそのような動物が存在すれば、大気中に姿を隠すことができるはずです。このシステムで生きる生命体は、ドラゴンになりうるかもしれません。
もちろん、現状そのようなシステムは発見・発明されていませんが、今後の科学の発展次第では実現するかもしれませんね(生命に関するものなので倫理的な問題はありますが・・・)。
長々と書きましたが、こうして真剣に考えてみると、考える前よりも現実味を帯びたドラゴンに感じるのではないでしょうか?もしかしたら実現できるのでは?という気がしてきませんか?もしそう感じるならば、科学者になるのもいいかもしれませんね。
科学の思考から浮かぶ新しい想像
お疲れ様でした!本日の問いかけはいかがでしたか?
科学の思考にはいくつもパターンがあると思っています。ひとつは想像から入るパターンです(「こうだったらいいのにな」から「そうするためには何が必要か」を考える)。他にも、事実から想像するパターンがあります(「 そもそも○○である」から「○○であるなら、△△にもなるはずだ」を考える)。『ドラゴンの身体のつくり』は後者に当たるパターンで『そもそも生命とは?』と、科学の思考を重ねることで生まれてきた想像というわけです。
科学の思考でいろんな想像をすると、他の人には見えないものが見えてくることがあります。7つの玉が揃うと現れるドラゴンについて考えるだけでも、はるかむこうの未来まで見通すことができたりします。ぜひ、これからも科学の思考を学んで、よりよい未来を想像してみてください!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!コメントいただけると、読んでいただいているんだなぁとうれしくなります☺︎良い週末を!