不思議なコップ
本日の問いかけ
こんにちは!科学者コボです。
本日の問いかけは『不思議なコップって、どんなコップ?』です。『ゾウの絵が描いたコップ』とか『水色のコップ』のように、ある程度はっきりイメージできるコップとは少し異なりますね。こういう言葉を『抽象的だ』と表現することがあります。『不思議なコップ』という抽象的な言葉を基に、自分なりの『不思議』を想像して、意見を考えてみましょう。
こんな意見が返ってくるかも?
そもそも『不思議』とはどんなもの・ことに使う言葉でしょうか?自分の経験の中から『不思議』を思い出してみてください。
『ネコは4本の手足で歩くのに、
どうしてヒトは2本の足で歩くんだろう』
『ブルジュ・ハリファってどうやって建てたの』
『テンセグリティ構造はなぜ安定しているの』
これらの文章から『不思議』を定義してみます。『仕組み・作り方・成り立ちが複雑で難解にも関わらず、現に成立しているもの・こと』といったところでしょうか。このような定義から『不思議なコップ』を想像していくつか意見の例を作ってみます。
意見の例 ①
そもそも『コップ』とは様々な飲み物を入れるものです。ここでは飲み物の味に注目してみましょう。味には例えば『甘い』『酸っぱい』『苦い』などがあります。仮にこれらの味の違いによってコップに変化が起きるとすれば、不思議だと感じるかもしれません。
意見の例 ②
今度は飲み物の温度に注目してみましょう。このところ寒くなってきました。温かいコーヒーを淹れても、少しPCに気を取られているとすぐに冷めてしまい、おじゃんです。仮に温度が一定に保たれるコップがあれば、不思議ですし、嬉しいですね・・・。
意見の例 ③
最後はなんのためにコップを使用するか、に注目してみましょう。飲料としてなにかを飲む以外にも、例えばくすりを水に溶かして飲むために使用することも多いのではないでしょうか。仮にくすりの味を変化させるようなコップがあれば、くすりの味が苦手な子どもたちは嬉しいですし、不思議なコップだなぁと思うかもしれません。
簡単な実験を伝えよう!
今日は『不思議』の定義や『コップ』の用途に注目して『意見』を作成してみました。次は『意見』を実現しうる『実験』を想像してみましょう。
実験の例 ①
意見(こども):
「飲み物のあじによって色が変わるコップが、不思議なコップかな・・・」
実験(おとな):
「それは確かに不思議だね。甘い飲み物をかけると色が変わったりするもの、どこかにないかな?」
実験の例 ②
意見(こども):
「飲み物がずっとあったかいコップが、不思議なコップかな・・・」
実験(おとな):
「それは寒い冬にはありがたいし不思議だね。電気を使ってあたためるのはどうかな?」
実験の例 ③
意見(こども):
「どんな飲み物も甘くなるコップが、不思議なコップかな・・・」
実験(おとな):
「くすりを飲む時に便利で不思議なコップだね。コップのフチを甘くしてみるのはどうかな?」
暮らしの中で学ぶ科学者の思考
お疲れ様でした!本日の問いかけはいかがでしたか?
「『不思議なコップ』という抽象的(上記参照)な言葉から、具体的な『コップ』を想像する」というカタチの『問いかけ』でした。発想力を鍛えるのによい問いかけだと思います。
科学が対象とする問題にも同様のカタチのものがあります。例えば「『どんな病気にでも効く薬』という抽象的な言葉から、具体的な『薬』を想像する」。科学者はこうした抽象的な『問いかけ』について、常に自問自答しています。そして『病気とはなにか?』『効くとはどういうことか?』『薬とはなにか?』と要素を分解して考え、本質的に重要な要素を抜き出し(注目し)、仮説を立てていくのです。そこでは膨大な知識が必要ですが、思考のプロセスは今日の問いかけとほぼ同じです。まずは暮らしの中で、科学の思考を学んでいきましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!